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文献紹介のページを更新いたしました(2025年7月掲載)

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母親の妊娠高血圧腎症が、児の腎臓病リスクを高める


Key Point


妊娠高血圧腎症(preeclampsia: PE)は古くからある疾患で、かつては一過性の妊娠合併症と考えられ、出産と共に治ると考えられていました。しかし、今は長期にわたる全身合併症であることがわかっており、母体だけでなく児にとっても、将来、心血管疾患、高血圧症、慢性腎臓病を発症するリスクであると考えられています。ノルウェーからの報告では、PEを発症した妊婦は末期腎不全に至るリスクが約5倍に上昇し、またPE2回、3回と増えると、さらにリスクが高まることも指摘されています1


PEの女性は、早産(妊娠37週未満)で出産することが多く、早産は児の腎臓病リスクの上昇と関連していますが、PEが単独で腎臓病リスクと関連しているかどうかはわかっていません。本論文では、デンマークで, 正期産で生まれた児を母親のPEの有無で分け、比較した結果、PEを発症した母親から生まれた児は、将来腎臓病を発症するリスクが高いだけでなく、慢性腎臓病や糖尿病性腎臓病との関連は、25歳以降に、より顕著になると報告しています。


CKDを持つ患者にとって、PEの既往や家族歴があること自体がPEの危険因子でもあり、PEをはじめとした合併症妊娠は、次世代のCKDや合併症妊娠の発症リスクを高めると考えられています2PEが早産とは異なる機序で、どのように児の腎機能に影響するか、またその治療法について、さらなる検討が期待されています。


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