文献紹介のページを更新いたしました(2025年6月掲載)

自己免疫疾患の種類により妊娠中の生物学的製剤の使用方法は異なるのか?
Key Point
自己免疫疾患は妊娠可能年齢の女性に好発します。出産可能年齢である女性の2%、妊娠女性の4%が自己免疫疾患を持つと推定されています1), 2)。生物学的製剤の開発に伴い、自己免疫疾患の治療が進歩した今、自己免疫疾患の疾患活動をコントロールしながら、妊娠・出産・授乳・育児を支援することが求められています。自己免疫疾患合併妊娠における生物学的製剤の継続的な使用は、「薬剤による潜在的な胎児奇形誘発リスク」だけでなく、「疾患ごとの疾患活動」を共に検討することが必要です。自己免疫疾患とその罹患臓器の特徴を考えながら、妊娠・授乳中の治療方針を検討します。一方で、罹患臓器別の専門家が、本学会などを通じて、各専門分野の知恵を活かしながら、専門分野の枠を超えた学際的・体系的な活動を行うことができれば、世界と日本の医療の質は飛躍的に向上するはずです。この点で、疾患横断的な観点に基づく本研究の視点は貴重と考えられたため、ここに紹介します。