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文献紹介のページを更新いたしました(2024年8月掲載)

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母体の腎臓の大きさは、妊娠経過や胎児に影響する


Key Point


慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)は、妊娠予後不良の危険因子であり、軽症であっても、妊娠出産に影響を及ぼすことが指摘されています1)。また、腎障害の既往、移植ドナーとしての腎提供も、高血圧・蛋白尿・腎機能障害の有無に関わらず、母体胎児の予後不良と関連すると言われています2,3)。腎障害の原因となる疾患については、糸球体腎炎に関する報告は多くみられますが、尿細管間質性腎炎や先天性尿路奇形、急性腎盂腎炎の既往、単腎についてはほとんど研究されていません。今回ご紹介する論文では、腎組織の減少が妊娠結果に及ぼす影響を検討するため、高血圧や蛋白尿のない尿細管間質性疾患を伴うCKDステージ1の妊婦をCKD をもたない低リスクの妊婦と比較しました。その結果、早産や低出生体重児出産のリスクは、単純な腎瘢痕から単腎(すなわち、腎重量の 50% の喪失)まで、腎組織の喪失量に比例して常に増加することが判明しました。この報告は、軽度の腎障害が妊娠期間の短縮に大きく影響し、妊娠の不良な転帰につながる可能性のあることを示唆しています。


以上の結果から、妊娠管理の際には腎機能だけでなく、腎疾患の既往や、腎臓の大きさについても注意を払うことが大切だと思われます。


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