お知らせ
News

運営情報

第9回日本母性内科学会学術集会 会長よりご挨拶

~ご挨拶~


9回日本母性内科学会総会・学術集会


会 長 和栗 雅子


(大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 母性内科主任部長)


9回日本母性内科学会学術集会の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。


1997年に大阪府立母子保健総合医療センター(現:大阪母子医療センター)に赴任してから、母性内科医として活動してきました。専門である糖尿病内科だけでなく、種々の内科疾患を持つ女性の妊娠中の管理のみならず、妊娠前からの管理、産後管理が母児のwell-beingに繋がり、大変重要でやりがいのある分野と思います。大学卒業直前まで、産婦人科と内科で迷っていた私にとって、特に魅力的な科に携わることができたことは非常にありがたく、さらに今回会長を務めさせていただけることを大変光栄に存じます。


今回テーマを「プレコンセプションケアから産後フォローアップまで」とし、糖代謝異常、自己免疫疾患をはじめ精神・神経疾患、母乳、薬剤、栄養など、多岐にわたる演題が集まりました。いずれも大変興味深く、充実した内容となり、理事長はじめご講演の皆様方に深く御礼申し上げます。COVID‐19の影響で2020年以降の学術集会は延期、Web形式、ハイブリッド形式と変遷しましたが、今回は現地開催+後日オンデマンド配信としました。多くの分野の方々が集い、垣根を越えて意見を交わし、交流を深める場となると同時に、現地参加が難しい方々にも多数ご聴講いただき学び多き場となることを期待しています。


1981年に当センターが開設された時に日本で初めて「母性内科」を立ち上げられた木戸口公一先生が、本年5月にご逝去されました。木戸口先生は、未然に疾病を防ぐ予防医療「未病」の視点から健康推進することにも力を入れてこられ、母性内科の基礎、重要性をたくさん教えていただきました。2016年に第1回学術集会を開催した際には、記念講演『母性内科医の35行き交った人々から与えられた私小説』を熱く語っていただいたことを懐かしく思い出します。当センター開設時の母性内科医は4名、本学会開設当初の会員数が20数名であったのが現在約450名となり、母性内科外来を開設している施設は30施設になっています。木戸口先生を思い偲び、心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、本会が母性内科の原点を振り返り、母性内科をさらに広く深く発展させ実り多い学術集会となることを祈念しています。