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文献紹介のページを更新いたしました(2024年2月掲載)

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妊娠中Bioに曝露した母から出生した児に生ワクチン接種する際の注意事項


Key Point


今回の論文は英国からの報告で、TNF阻害薬をはじめとするBioを妊娠中に使用した母体から出生した児が生後に生ワクチンの接種を受ける場合の影響について評価したシステマティックレビューである。この検討は妊娠中にインフリキシマブ(IFX)の投与をうけていた母から出生した児が、生後3ヶ月にBCGの接種を受け播種性BCG菌感染症が原因で死亡したという症例が報告されたことに端を発する (1) 。この症例の母は炎症性腸疾患を患い分娩に近い時期までIFXを継続しており、IFXが児の血中に残存している時期にBCG接種をうけた結果、播種性BCG菌感染症を発症したと推察された。Bioの胎盤移行性は製剤により異なり、移行性が高いもの低いものとあるが(2-7)、IFXは移行が高い製剤である。


本邦の1歳未満の児が受けうる生ワクチンはBCGとロタウイルスワクチンである。関節リウマチ診療ガイドライン20208)では生ワクチン接種は生後6ヶ月以降とする旨の記載がある。Bioの子宮内曝露児は、接種開始時期が早いロタウイルスワクチンは接種できないこととなる。しかしながら、本論文にあるようにロタウイルスワクチンを接種した例で副反応は軽度であったこと、接種により問題が生じたのは胎盤移行性の高いBio症例に限られていたことを考慮すると、今後症例の集積によっては、胎盤移行の低い製剤の投与例の児では接種可能とするなど、製剤ごとに接種可否の判断が変わってくる可能性がある。引き続き情報収集が必要である。


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